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旅は続くよ

第30章 変化

A「…ふぅ~ん…」

そんな親友の顔をマジマジと見てやる

N「何よ」

A「なんかさ、今までと随分違うじゃん?どしたの?」

N「…何が」

A「だーかーらぁ、今までだったら『色恋沙汰なんて自分に関係ありません』って言ってたのにさ。
『いいな~』なんてセリフが出てくるあたり、全然違うじゃない」

N「…別に?たまたまでしょ」

A「実は案外、翔ちゃんの事好きになってきたんじゃないの?」

N「安直!すーぐアンタは安易に物事を考えんだから」


そりゃぁね?

どーせ俺は安直な頭してっけどさ

ピピピッてくる時は外れないんだぜ?


A「俺の直感はそう言ってんだけどな~」

N「直感バカ」

A「あっ!お前またバカっつったな!?」

N「だってバカなもんはバ…」

A「この口かっ!」

憎たらしい事を言う唇の端を摘まむと

ニノも悪ノリして、オーバーに騒いでみせた


N「いてててて!」

A「くふふっ、こーのーくーちーかぁ~!」

N「ギブ!ギブって!」

O「お前ら洗面所で何遊んでんの?」

A「あ、さと兄」


さと兄が呆れた顔で洗面所の入り口に立った時

S「…いってきます」

その後ろを翔ちゃんが玄関に向かって歩いてくのが見えた


A「あっ、翔ちゃん。ほらほらニノ、いってらっしゃいは?」

N「うっせー!」

あらら、ニノってば

赤くなってんじゃん

騒いでるからじゃないよね?

素直じゃない口と違って、ほっぺは素直に反応してるよ?


A「翔ちゃん、いってらっしゃーい!」

N「お前、止めろっての!」

ニノの腕を掴んで無理やり翔ちゃんに向かって大きく振ると

小さく、

ほんの小さく翔ちゃんの笑った顔が、何だか切なく見えた




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