旅は続くよ
第32章 頼むよ
Oside
N「…どうしたらいいのかな」
最近家でプラプラしてる事の少なくなったニノが
久しぶりに店のカウンターにフラリと寄ったと思ったら
脈絡もなく突然そんな言葉を零したからコッチが驚いた
N「俺…、最近どうしたらいいのか、さっぱりわかんない」
O「俺は今ニノが何言ってんのか、さっぱりわかんない」
N「…いいんだよ。独り言」
O「待て待て、そんな独り言があるか」
謎の言葉を残して立ち去ろうとする腕を捕まえて改めて座らせたら
思った以上にショげた表情にますます驚いた
O「どうした?仕事上手くいってねぇのか」
N「ううん、仕事は順調。遣り甲斐もあって楽しいし」
O「じゃあ何だ」
N「……恩返しってさ、どうやったらいいの?」
O「恩返しって…、もしかして翔ちゃんに?」
蹲ってコクンと頷いた姿に
そんな切羽詰まった表情で悩む事じゃねぇだろ、と溜息が出た
O「いらねーんじゃねぇの?そういうの」
N「…そうかもしんないね」
O「して欲しいとも思ってねぇだろうし」
N「…でしょうね」
O「じゃあ、なんで?」
N「…わかんない。自分が何をしたいのかもわかんない」
珍しく支離滅裂に話すニノは膝を抱えて俯いたまま
雅紀相手みたいに解きほぐしてやる必要はない
次の言葉を黙って待った
N「…翔ちゃんさ、最近ちょっと変じゃない?」
O「そうか?」
惚けてはみたけど『そりゃお前のせいだ』という言葉が喉まで出掛った
どうやら翔ちゃんは本気でニノを諦めようとしてるらしい
なんで諦めなきゃいけねぇのか、俺にはわかんないけど
片思いがツライのはわからない訳ではない
俺だって弟にツライ思いをして欲しくねーもん
N「元気がないならさ…、元気にしてあげたいんだよね」
O「まあ…そうだな」
N「何か悩んでんなら…聞いてあげたりとかさ。
まあ、俺に出来る事なんてあんま無いだろうけどさ…」
O「そんな事ないさ」
N「ううん。翔ちゃんと違って…俺はウジウジしてたから。
あんな暗かったくせに何言ってんだって、自分でも思うのよ。
翔ちゃんに引き上げて貰ったくせに偉そうに…って」
自嘲気味なニノの言葉に、俺はそんな事ないって繰り返し首を横に振った
N「…どうしたらいいのかな」
最近家でプラプラしてる事の少なくなったニノが
久しぶりに店のカウンターにフラリと寄ったと思ったら
脈絡もなく突然そんな言葉を零したからコッチが驚いた
N「俺…、最近どうしたらいいのか、さっぱりわかんない」
O「俺は今ニノが何言ってんのか、さっぱりわかんない」
N「…いいんだよ。独り言」
O「待て待て、そんな独り言があるか」
謎の言葉を残して立ち去ろうとする腕を捕まえて改めて座らせたら
思った以上にショげた表情にますます驚いた
O「どうした?仕事上手くいってねぇのか」
N「ううん、仕事は順調。遣り甲斐もあって楽しいし」
O「じゃあ何だ」
N「……恩返しってさ、どうやったらいいの?」
O「恩返しって…、もしかして翔ちゃんに?」
蹲ってコクンと頷いた姿に
そんな切羽詰まった表情で悩む事じゃねぇだろ、と溜息が出た
O「いらねーんじゃねぇの?そういうの」
N「…そうかもしんないね」
O「して欲しいとも思ってねぇだろうし」
N「…でしょうね」
O「じゃあ、なんで?」
N「…わかんない。自分が何をしたいのかもわかんない」
珍しく支離滅裂に話すニノは膝を抱えて俯いたまま
雅紀相手みたいに解きほぐしてやる必要はない
次の言葉を黙って待った
N「…翔ちゃんさ、最近ちょっと変じゃない?」
O「そうか?」
惚けてはみたけど『そりゃお前のせいだ』という言葉が喉まで出掛った
どうやら翔ちゃんは本気でニノを諦めようとしてるらしい
なんで諦めなきゃいけねぇのか、俺にはわかんないけど
片思いがツライのはわからない訳ではない
俺だって弟にツライ思いをして欲しくねーもん
N「元気がないならさ…、元気にしてあげたいんだよね」
O「まあ…そうだな」
N「何か悩んでんなら…聞いてあげたりとかさ。
まあ、俺に出来る事なんてあんま無いだろうけどさ…」
O「そんな事ないさ」
N「ううん。翔ちゃんと違って…俺はウジウジしてたから。
あんな暗かったくせに何言ってんだって、自分でも思うのよ。
翔ちゃんに引き上げて貰ったくせに偉そうに…って」
自嘲気味なニノの言葉に、俺はそんな事ないって繰り返し首を横に振った