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旅は続くよ

第33章 特別なキス

Aside



風呂から上がると、冷蔵庫からビールの缶を2つ持って真っ直ぐ離れに行く

缶を持ったままの手で扉をノックして

A「潤、いい?」

M「どうぞ」

そのままドアノブを回そうとしたのに、缶を持ったままじゃ上手くいかなくて

A「ぉわっ」

M「ふふっ、『開けろ』って言えばいいのに」

結局、缶を落としそうになったところを

ちゃんと察してくれた潤がドアを開けて招き入れてくれた


A「だって、勉強してたら悪いかな~って」

M「ビール持ってきたくせに?」

A「それは、えっと…」

だって…潤と飲みたかったんだもん

A「えへへ…」

M「はははっ、もう…笑って誤魔化してんじゃん」


ベッドに凭れるように床の上に並んで座って

A「はい」

M「サンキュ」

プルトップを開けた缶をコツンと合わせてビールを煽る

A「プハ~」

M「うめぇ」

うん、風呂上りのビールは最高

潤と一緒だから言うこと無いね


A「あ、でもホントに勉強の邪魔じゃなかった?」

M「大丈夫。俺、頑張ってるもん」

それは分かってる

昔から潤は真面目なコだったから

だからこそ、俺はこれ以上潤の邪魔になりたくないんだ


M「俺ねぇ…、ふふっ、ホントに最近スゴイんだよ?」

俺の心配をよそに、潤がハニカむように笑う

M「スゲー集中できるし、無駄な時間が減ってきた。
そんな時間があったら勉強したい、って感じ」

A「え…、じゃあ、やっぱ俺」

M「違うよ。まー兄とこういう時間を1秒でも多く過ごしたいから。
だから頑張れんだよ」

少し照れながら言う表情が、ホントに嬉しそうで

…なんだ

ちょっとは俺、役に立ってんのかな~

なんて、俺まで凄く嬉しくなってきた


A「そっか」

M「うん」

大きく頷いてくれる潤が、どうしようもなく可愛くて、カッコよくて

A「くふふっ…」

もう抑え切れなくて笑っちゃう、つーかニヤケちゃう


M「なんだよ~。何笑ってんの?」

A「何でもな~い~」

M「あ…そっか。俺今スゲー恥ずかしい事言ったから」

A「ちがーうよ?」

そういうんじゃない

冷やかしたりとか、コッチまで恥ずかしくなるとかじゃないよ?

A「嬉しいのっ」

だからついつい笑っちゃう

潤といると笑顔でいられるんだよ



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