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旅は続くよ

第34章 罪作り

思い出すだけで胸が高鳴る

キスの合間に見えた、伏目がちの長い睫毛とトロンとした瞳

荒い息を漏らす濡れた唇

『…ぁん…』

首筋を舐めただけで弾けたように啼いた声

反芻するだけで、体がまー兄を欲しがって膨らんでくる


もう…何度あの人の肢体を頭に浮かべてきただろう

何十回、何百回、淫らなあの人を妄想しただろう

それでも、現実はもっと破壊力があった

いやらしいキス1つで血管がはち切れそうになった

思い出すだけで、体がどんどん欲しがって苦しくなる


そっと、下着の中に手を入れた

自分のモノを根元から撫でると、体がまー兄を想って震える

M「まー兄…」

もう1度頭の中でまー兄の首筋に舌を這わせると

『…ぁん…』

妄想の中のあの人が甘く啼いた

その途端、無意識に自分を慰める手のスピードが上がる


まー兄、知らないだろ?

俺は何年もこうしてアンタをオカズにして自分を慰めてきた

何百回もまー兄を舐め回して、思うように突っ込んで啼かせてきたんだ


M「ぁあっ、まぁ…にぃ……ッ」

愛しい名前を呼んで、妄想して、息が弾んでくる

妄想の中のまー兄が汗まみれの腕で俺を抱きしめてくれる


M「ゥ…そんな、…アァッ、……ック…」

体の中心が燃えるようにカァーッとなって

手の中に溢れんばかりの熱が吐き出された

ティッシュで汚れを拭き取ると、急に虚しさが込み上げてきた


ねえ、まー兄…

あなたの無邪気な笑顔と、俺のこの行為

どっちが罪なんだろうね


俺も一緒に飛び越えたい

まー兄の手に引かれて、こんなドロドロした迷いからヒョイと飛び越えたいよ…


強くなりたい

まー兄の隣を胸張って歩いていける男になりたい


溜め息をつきかけて、止めた

薄目を開けて見た天井に浮かんだまー兄は、ただ優しく微笑んでいた



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