
旅は続くよ
第36章 今度は俺の番
N「で?アンタは俺に何を求めてんですか」
ひと肌脱いでくれと言うからには、それなりのアクションを求めてんでしょ
N「翔ちゃんを説得しろってか?お父さんに会いに行けって」
O「まさか。だって俺、会いに行って欲しいなんて思ってねぇもん」
N「んん?どゆ事?」
O「死に掛けのジジイが息子に会いたい気持ちなんてどーでもいいんだよ、俺は」
N「…サラッと酷い事言ったね、アンタ」
O「そうか?でも酷いのはアッチだろ?だからいいんだよ
翔ちゃんがスッキリ納得できれば俺はそれでいいの
翔ちゃんの話、聞いて欲しいんだよ。ニノに」
N「…俺が?」
O「だって、俺聞けねーもん」
N「俺が聞いたって…どうにかなるもん?」
O「いいんだよ。聞くだけで」
N「…そんなんでいいの?」
O「うん。聞いてさ、あの頑固者の本音引き出してやってよ」
N「んふふっ。まあ…ホント頑固だもんね、あの人」
O「そうそう。ちょっと短気だしね」
N「あー、俺怒鳴られっかも」
O「かもね。…でも、優しいんだよ」
N「…知ってます」
知ってるよ
情に厚い事も、一本気な事も
他人の痛みに敏感で、それを放っておけなくて
とことん話を聞いてくれる眼差しが泣きたくなるくらい優しい事も
N「話してみるよ」
今度は俺が翔ちゃんの話を聞く番なんだ
どんなに翔ちゃんが固く心を閉ざしていても
どんなにウザがられても
俺が翔ちゃんの中の悲しみや苦しみを手のひらで掬う番なんだ
翔ちゃんが俺にそうしてくれたように
O「頼むね」
フニャンと下げた眉が、さと兄だって迷える1人の男なんだって言っていた
清も濁もゴクゴク飲み込んで、いつもシンプルな答を聞かせてくれたこの人だって
俺と同じように迷う事も立ち止まる事も人を頼る事もあるんだね
ならば、俺にだってきっと出来る
こんな俺が…なんて、尻込みしてらんないよね
今まで翔ちゃんやさと兄が俺にしてくれたように
俺にだってきっと人の背中を押せるはず
N「任せなさい」
O「お、頼もしい」
ドンと胸を張ってみせると、さと兄が嬉しそうに肩を揺らして笑った
待ってて
俺、頑張るから
きっと、翔ちゃんのホントの笑顔を取り戻してみせる
俺だって見たいんだ
翔ちゃんの笑顔が恋しい
笑って欲しくて堪んないんだ
ひと肌脱いでくれと言うからには、それなりのアクションを求めてんでしょ
N「翔ちゃんを説得しろってか?お父さんに会いに行けって」
O「まさか。だって俺、会いに行って欲しいなんて思ってねぇもん」
N「んん?どゆ事?」
O「死に掛けのジジイが息子に会いたい気持ちなんてどーでもいいんだよ、俺は」
N「…サラッと酷い事言ったね、アンタ」
O「そうか?でも酷いのはアッチだろ?だからいいんだよ
翔ちゃんがスッキリ納得できれば俺はそれでいいの
翔ちゃんの話、聞いて欲しいんだよ。ニノに」
N「…俺が?」
O「だって、俺聞けねーもん」
N「俺が聞いたって…どうにかなるもん?」
O「いいんだよ。聞くだけで」
N「…そんなんでいいの?」
O「うん。聞いてさ、あの頑固者の本音引き出してやってよ」
N「んふふっ。まあ…ホント頑固だもんね、あの人」
O「そうそう。ちょっと短気だしね」
N「あー、俺怒鳴られっかも」
O「かもね。…でも、優しいんだよ」
N「…知ってます」
知ってるよ
情に厚い事も、一本気な事も
他人の痛みに敏感で、それを放っておけなくて
とことん話を聞いてくれる眼差しが泣きたくなるくらい優しい事も
N「話してみるよ」
今度は俺が翔ちゃんの話を聞く番なんだ
どんなに翔ちゃんが固く心を閉ざしていても
どんなにウザがられても
俺が翔ちゃんの中の悲しみや苦しみを手のひらで掬う番なんだ
翔ちゃんが俺にそうしてくれたように
O「頼むね」
フニャンと下げた眉が、さと兄だって迷える1人の男なんだって言っていた
清も濁もゴクゴク飲み込んで、いつもシンプルな答を聞かせてくれたこの人だって
俺と同じように迷う事も立ち止まる事も人を頼る事もあるんだね
ならば、俺にだってきっと出来る
こんな俺が…なんて、尻込みしてらんないよね
今まで翔ちゃんやさと兄が俺にしてくれたように
俺にだってきっと人の背中を押せるはず
N「任せなさい」
O「お、頼もしい」
ドンと胸を張ってみせると、さと兄が嬉しそうに肩を揺らして笑った
待ってて
俺、頑張るから
きっと、翔ちゃんのホントの笑顔を取り戻してみせる
俺だって見たいんだ
翔ちゃんの笑顔が恋しい
笑って欲しくて堪んないんだ
