
旅は続くよ
第39章 見えてなかった
Sside
ニノに父親の件がバレてしまったから、嘘の残業は止めた
1人当てもなく夜の街を歩いたところで、良い事なんて1つも無かったし
何より、心の内をニノに明かした事で随分気持ちが落ち着いてきた
でも…父親に会って文句を言う、って言ってもなぁ…
それがいいのか、未だ引っ掛かりを感じてる
かと言って、俺の為に父親に会う決心をしたニノに反論する事も出来ない
ズルズルと時間だけが過ぎて行った
仕事でニノが遅くなると言ったその日
夕食後、智くんがリビングでゴロゴロしだしたから
何となく俺も久しぶりにリビングに残って、一緒にテレビを眺めた
O「…おお、流しそうめん」
S「美味そうだね」
O「ふふっ、夕飯食ったばっかだろ」
S「麺類は別腹だよ。智くんだって好きじゃん」
O「今は腹いっぱいだもん。それよりさ、あの流す台スゴくねぇ?作ってみてーなぁ」
S「どこ置くんだよ、あんなデカイもん。アンタ、マジでやりそうだから怖いよ」
他愛もない会話だけど…、やっぱり落ち着くな
何があっても兄貴の傍なら落ち着くってこと、暫く忘れてた…
こうやって少しだけでも日常の平穏を取り戻せたのは
やっぱりあの日、ニノの前で何もかもブチまけたおかげなのかもしれない
あんなに一生懸命俺の話を聞いてくれて
俺のために泣きそうになってくれて…
まあ、同情なんだろうけどさ
ニノの潤んだ瞳を思い出すと、胸がギュッと締め付けられた
キッチンの片づけを終えた潤も加わって
M「あ、俺ここ行った事ある」
S「ええ?遠いぞ、ここ」
M「高校の修学旅行で行ったんだよ
あーほら、このお土産屋。まー兄へのお土産で散々悩んだんだよね。懐かしー…」
O「俺、貰ったっけ?」
M「なんでさと兄に買ってかなきゃなんねーの」
O「ひでぇ!翔ちゃん、潤がひどい事言うっ」
M「あ、でも翔兄にはお土産やった記憶あるわ」
S「ああ、俺も貰った記憶あるわ。煎餅か何か」
O「え、なんで翔ちゃんだけ!?」
M「翔兄には勉強教えてもらってたもん」
S「そうそう、お世話しました」
O「俺だって頼まれれば勉強くらい」
M「結構です」
O「即答!やっぱひでぇっ」
S「智くん、チャレンジャーだな~。潤、理系だよ?」
どうでもいい話で盛り上がる日常が愛おしい
ニノに父親の件がバレてしまったから、嘘の残業は止めた
1人当てもなく夜の街を歩いたところで、良い事なんて1つも無かったし
何より、心の内をニノに明かした事で随分気持ちが落ち着いてきた
でも…父親に会って文句を言う、って言ってもなぁ…
それがいいのか、未だ引っ掛かりを感じてる
かと言って、俺の為に父親に会う決心をしたニノに反論する事も出来ない
ズルズルと時間だけが過ぎて行った
仕事でニノが遅くなると言ったその日
夕食後、智くんがリビングでゴロゴロしだしたから
何となく俺も久しぶりにリビングに残って、一緒にテレビを眺めた
O「…おお、流しそうめん」
S「美味そうだね」
O「ふふっ、夕飯食ったばっかだろ」
S「麺類は別腹だよ。智くんだって好きじゃん」
O「今は腹いっぱいだもん。それよりさ、あの流す台スゴくねぇ?作ってみてーなぁ」
S「どこ置くんだよ、あんなデカイもん。アンタ、マジでやりそうだから怖いよ」
他愛もない会話だけど…、やっぱり落ち着くな
何があっても兄貴の傍なら落ち着くってこと、暫く忘れてた…
こうやって少しだけでも日常の平穏を取り戻せたのは
やっぱりあの日、ニノの前で何もかもブチまけたおかげなのかもしれない
あんなに一生懸命俺の話を聞いてくれて
俺のために泣きそうになってくれて…
まあ、同情なんだろうけどさ
ニノの潤んだ瞳を思い出すと、胸がギュッと締め付けられた
キッチンの片づけを終えた潤も加わって
M「あ、俺ここ行った事ある」
S「ええ?遠いぞ、ここ」
M「高校の修学旅行で行ったんだよ
あーほら、このお土産屋。まー兄へのお土産で散々悩んだんだよね。懐かしー…」
O「俺、貰ったっけ?」
M「なんでさと兄に買ってかなきゃなんねーの」
O「ひでぇ!翔ちゃん、潤がひどい事言うっ」
M「あ、でも翔兄にはお土産やった記憶あるわ」
S「ああ、俺も貰った記憶あるわ。煎餅か何か」
O「え、なんで翔ちゃんだけ!?」
M「翔兄には勉強教えてもらってたもん」
S「そうそう、お世話しました」
O「俺だって頼まれれば勉強くらい」
M「結構です」
O「即答!やっぱひでぇっ」
S「智くん、チャレンジャーだな~。潤、理系だよ?」
どうでもいい話で盛り上がる日常が愛おしい
