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旅は続くよ

第39章 見えてなかった

S「しかし、いいね。高校の修学旅行」

O「俺ん時と違うな、修学旅行の行き先」

S「そりゃ高校が違うもん」

M「時代もね」

O「うっさい。そんな違わねーだろうが」

S「の割に近場だな。イマドキはもっと遠いとこ行くもんじゃねーの?」

M「ウチもそこそこ進学校だったから。翔兄んとこもそうでしょ?」

S「ウチはそもそも修学旅行がねーんだよ」

O「受験一色」

M「うーわ、灰色」

S「うっせー。どうせ男子校で3泊したって面白くねーよ」

M「さと兄は何処だった?修学旅行」

O「……韓国」

M「……」

S「……」

O「お前ら、今、バカ学校って思ったろ」

M「いやいやいや、何言ってんの」

S「韓国に修学旅行いく全国の学校に失礼だわ」

O「だって、なんか今の話の流れから行くとそうじゃん」

M「勘繰りすぎだよ」

S「被害妄想」

O「なんだよぉ。翔くんなんか、俺が土産に買ってきたキムチ食い過ぎて腹壊したくせにっ」

M「はははっ!バカだ、翔兄」

S「なんだよ!アンタそんな事ばっかよく憶えてんな~」

O「1瓶、一気食いしたんだよね」

S「その記憶力、他で活かせや!」

A「何なに~。賑やかだね~」

そこに風呂から上がってきた雅紀が入ってきた


その姿に、ふとアレ?と思ったんだ

濡れた髪を拭きながら微笑む表情が、何となく今までと違って見えて

いや、何処がって言われると困るんだけど、何となく…


A「んん?なに、翔ちゃん。ジッと見て」

S「あ、いや。…別に…」

A「お風呂お先でした。次どうぞ?」

M「あ、俺入る。いい?」

O「いいぞー」

S「あ、うん…」

A「潤。俺、部屋で待ってていい?」

M「あ、俺んとこ?」

A「うん」

M「いいよ。すぐ行くから待ってて」

A「うん。待ってるね」


柔らかな笑みを残してリビングを出る雅紀と、その姿を目を細めて追う潤

なんつーか、その…

S「…お前ら、なんか…」

M「ん?」

S「いや、その…」

なんて言っていいかわからないな

S「…雅紀、雰囲気変ったよな。なんか…綺麗になったっつーか…」


男に綺麗は変か?カッコいい?

上手く表現出来ないでいると

M「ダメだよ。あれ、俺のだから」

潤が悪戯っぽく笑った


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