旅は続くよ
第4章 一緒に朝ごはん 潤編
Mside
朝起きて、まずはコーヒーメーカーをセットする
その間に冷たい水をコップに半分飲む
これは可南子ママが入院してからの習慣で
寝ぼけた頭を叩き起こす為だ
それでも朝が弱い俺は中々動けない
今日は、まー兄が早番だから
普段より早く起きて朝食を作る日
まー兄は『勝手に適当に食ってくから』って言うけど
そんな訳にはいかないよ
むしろ俺がこうしたいんだ
まー兄の為と言うより
俺の為に
キッチンの椅子に凭れて、淹れたてのコーヒーを体に流し込む
まだ誰も起きてこない、1人の時間
今朝のおかずの仕込みは昨夜の内にしてあるから余裕がある
そのせいか、頭はボーっとしたままで
余計な事ばかりが頭に浮かんでしまう
可南子ママが元気だった頃は、
夕食はいつも作ってたけど
朝ご飯なんか作る必要は無かった
仕事でどんなに夜遅く帰ってきても
ママが俺らに朝ご飯を作ってくれたからだ
『潤は低血圧なんだから』
いつも笑顔でそう言ってた
無理してるって分かってたんだ
だけど俺はママの愛情に甘えてばかりで
大人になったら恩を返すしか考えてなくて
ママが倒れるまで、限界をとうに超えている事に気づかなかった
…俺は薄情な人間なんだ
そして、罪深い
あんなに大事に育てて貰ったのに
可愛がって貰ったのに
恩を返すどころか
裏切るような想いを抱えてるんだ…
まー兄…
だめだ
ボーっとすると、すぐコレだ
ダメだって、分かってるのに…
好きになったのは、いつからだろう
相葉の家に引き取られた時は、幼かったせいか距離感が掴めなかったくせに
いつの間にか俺は、金魚のフンみたいに まー兄にベッタリくっついてた
優しい兄
笑顔で俺を“母親に捨てられた暗闇”から連れ出してくれる兄
まー兄が俺の世界の全て
でも、大人になるにつれ
まー兄の純粋さとか
年上とは思えない可愛さが愛おしくて…
ふと見せる色気が堪らなくて…
間違ってるのは分かってるのに
もうどうしようもなくて…
なのに、まー兄にとって俺は
弟なんだ
可南子ママが生きてた頃は、
ママが悲しむ事は絶対に出来ないと思ってた
でも、今は
想いは大きくなり過ぎて
体の中から暴れ出そうだ
朝起きて、まずはコーヒーメーカーをセットする
その間に冷たい水をコップに半分飲む
これは可南子ママが入院してからの習慣で
寝ぼけた頭を叩き起こす為だ
それでも朝が弱い俺は中々動けない
今日は、まー兄が早番だから
普段より早く起きて朝食を作る日
まー兄は『勝手に適当に食ってくから』って言うけど
そんな訳にはいかないよ
むしろ俺がこうしたいんだ
まー兄の為と言うより
俺の為に
キッチンの椅子に凭れて、淹れたてのコーヒーを体に流し込む
まだ誰も起きてこない、1人の時間
今朝のおかずの仕込みは昨夜の内にしてあるから余裕がある
そのせいか、頭はボーっとしたままで
余計な事ばかりが頭に浮かんでしまう
可南子ママが元気だった頃は、
夕食はいつも作ってたけど
朝ご飯なんか作る必要は無かった
仕事でどんなに夜遅く帰ってきても
ママが俺らに朝ご飯を作ってくれたからだ
『潤は低血圧なんだから』
いつも笑顔でそう言ってた
無理してるって分かってたんだ
だけど俺はママの愛情に甘えてばかりで
大人になったら恩を返すしか考えてなくて
ママが倒れるまで、限界をとうに超えている事に気づかなかった
…俺は薄情な人間なんだ
そして、罪深い
あんなに大事に育てて貰ったのに
可愛がって貰ったのに
恩を返すどころか
裏切るような想いを抱えてるんだ…
まー兄…
だめだ
ボーっとすると、すぐコレだ
ダメだって、分かってるのに…
好きになったのは、いつからだろう
相葉の家に引き取られた時は、幼かったせいか距離感が掴めなかったくせに
いつの間にか俺は、金魚のフンみたいに まー兄にベッタリくっついてた
優しい兄
笑顔で俺を“母親に捨てられた暗闇”から連れ出してくれる兄
まー兄が俺の世界の全て
でも、大人になるにつれ
まー兄の純粋さとか
年上とは思えない可愛さが愛おしくて…
ふと見せる色気が堪らなくて…
間違ってるのは分かってるのに
もうどうしようもなくて…
なのに、まー兄にとって俺は
弟なんだ
可南子ママが生きてた頃は、
ママが悲しむ事は絶対に出来ないと思ってた
でも、今は
想いは大きくなり過ぎて
体の中から暴れ出そうだ