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旅は続くよ

第4章 一緒に朝ごはん  潤編

A「…なんでニノに言うの」

思いがけず不満そうに言われて焦った

M「え?だってフリーだからブラブラしてるって言うし。温め直しや出前ぐらいならOKだって本人も…」

A「そうじゃなくて!そんな大事なこと…、なんで俺より先にニノに言うんだよっ」

ふくれっ面で、口を尖らせて

怒ってるように言うけど

…ダメだ

顔が緩みそう

拗ねてる様子が可愛くて堪んない


M「ふふっ…」

A「…なんで笑うのさ」

M「だって…。まー兄、子供みたい」

A「うるさいっ。潤が悪いんだろ?」

子供扱いされてるって、分かってる

それでも

怒られてるのに、嬉しくて

こんな事でヤキモチ妬かれるのが、くすぐったくて

また、まー兄を好きになってしまう


A「反省しろ、反省」

M「はいはい」

A「返事は1つ。何でも兄ちゃんに1番に報告するんだぞ?」

M「…まー兄。時間じゃない?」

A「あっ!ヤッベ!」


ついつい喋り過ぎて、もうこんな時間

まー兄がバタバタと、着替えたり歯磨きしてる合間に洗い物を済ます

終わった頃にちょうど玄関に向かう足音が聞こえたから

俺も玄関に向かった


M「今日、帰り遅い?」

A「ううん、いつもの早番と同じ時間。なんで?」

M「夕飯ウチで食べれるなら、まー兄の好きなパスタにしようと思って」

A「シラスのやつ?」

M「うん」

A「やった!走って帰ってくる!」

M「ははっ、そんな慌てなくたって大丈夫だよ」

A「だって、楽しみじゃ~ん」


靴を履いて、立ち上がって

出掛けるのかと思ったら

まー兄は振り返って、俺の腕をギュッと握った

M「な…、何?」

A「潤が頑張ってるから」

M「…?」

A「俺のパワーを分けてあげる。
んで、潤のパワーも分けて貰ってんの」

M「…意味ないんじゃね?」

A「あるよ。交換すれば新鮮っしょ?」


まー兄の言ってる意味は分かんないけど

真剣な表情はホントにパワーを交換しているようで

掴まれた腕に、まー兄の熱が伝わってくる


A「…よし。充電完了」

俺の腕を離し、ニコッと笑う

A「いってきます!」

M「いってらっしゃい」


踵を返して玄関を出てく姿を見送る

掴まれた腕に触れると熱を帯びてて

空でも飛べそうな程、何でも出来そうな気持ちになっていた




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