旅は続くよ
第7章 一緒に寝てるの?
A「昨日も寝れてないんだろ?そんな顔してる」
ニノの返事は聞こえない
俺も動けないまま、まー兄の声だけが続く
A「ここでならこの前もよく寝れたんじゃない?」
N「…アンタ、まさか起きて見張ってた?」
A「まさか~。朝見たら、よく眠れたって顔してた。それだけだよ」
まー兄の声が、いつもの柔らかい声に戻った
きっと、ニノを安心させる為に
A「誰かと一緒の方が気が紛れんだって」
N「…そうかも知れないけど…」
A「なら決まり。安眠剤だと思ってさ」
断ってくれ
そう思った
『嫌だよ』と
『1人で眠れるよ』と言ってくれ
ひたすら、そう願った
ホントなら今すぐ部屋に入って行きたい
何も知らない振りをして、空気も読まずに
無邪気な弟を装って乱入して行きたいのに
俺は暗い廊下で棒のように立ったまま
指1本動かせない…
A「ほら、こっち」
まー兄の声が嬉しそうに聞こえる
ニノは部屋から出てこない
やがて、ゴソゴソという物音と
クスクス笑う声が聞こえて
何も聞こえなくなった
…きっと、一緒に寝たんだ
理由は何となく分かってる
ニノの不眠症
俺が高校生の頃、2つの布団に3人でギュウギュウになって眠った事もある
多分、今もそのせいだ
分かってる
でも…
静まり返った部屋のドアの前で
廊下の床の冷たさが全身に伝わるまで
俺はただ、立ち尽くしていた
ニノの返事は聞こえない
俺も動けないまま、まー兄の声だけが続く
A「ここでならこの前もよく寝れたんじゃない?」
N「…アンタ、まさか起きて見張ってた?」
A「まさか~。朝見たら、よく眠れたって顔してた。それだけだよ」
まー兄の声が、いつもの柔らかい声に戻った
きっと、ニノを安心させる為に
A「誰かと一緒の方が気が紛れんだって」
N「…そうかも知れないけど…」
A「なら決まり。安眠剤だと思ってさ」
断ってくれ
そう思った
『嫌だよ』と
『1人で眠れるよ』と言ってくれ
ひたすら、そう願った
ホントなら今すぐ部屋に入って行きたい
何も知らない振りをして、空気も読まずに
無邪気な弟を装って乱入して行きたいのに
俺は暗い廊下で棒のように立ったまま
指1本動かせない…
A「ほら、こっち」
まー兄の声が嬉しそうに聞こえる
ニノは部屋から出てこない
やがて、ゴソゴソという物音と
クスクス笑う声が聞こえて
何も聞こえなくなった
…きっと、一緒に寝たんだ
理由は何となく分かってる
ニノの不眠症
俺が高校生の頃、2つの布団に3人でギュウギュウになって眠った事もある
多分、今もそのせいだ
分かってる
でも…
静まり返った部屋のドアの前で
廊下の床の冷たさが全身に伝わるまで
俺はただ、立ち尽くしていた