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旅は続くよ

第1章 ひとつ屋根の下

S「遠慮すんな。俺も智くんもデカい家に2人じゃ寂しいんだからさ」

俺が潤の肩にポンと手を置くと、
智くんも雅紀の背中を支えるように手を置いた

O「引っ越し手伝うよ。近所のおっちゃんから軽トラ借りてくっから」

A「…さと兄、免許ないじゃん」

O「うん。勿論運転すんのは翔ちゃんだぞ?」

S「出た。いっつも出来ねーくせに俺にマル投げすんだから…」


わざとらしく肩をすくめて見せると、
雅紀と潤の表情が少し和らいで

俺も智くんも少しだけホッとした








M「なんっだ、これ!?」

雅紀と潤が我が家に引っ越してきた日

潤はどこかの部屋に入るたび叫んでいた


M「何これ!泥棒でも入ったみたいじゃん!」

O「いや、泥棒は入ってねーぞ?」

M「わかってるよ!そんぐらいきったねーっつってんだよ!」

S「男2人暮らしなんて、こんなモンじゃね?」

M「何言ってんの!?そんなワケねーじゃん!ちょっ、翔兄。何?この紙屑の山!」

S「バッ、紙屑じゃねぇ!仕事の資料だっ」

M「エロ本混じってっけど?」

A「わ~、翔ちゃん最低~」

O「翔ちゃん、リビングで何やってんの?」

M「全部捨てられたくなかったら、いるモンといらないモン、ちゃんと分けて!」

S「わかった。わかったからちょっと待て!」

潤は俺の荷物の山を蹴飛ばす勢いで怒ってる

くっそー

智くんめ、ニヤニヤしちゃって…


ところが、他人事みたいにしてた智くんに

潤の怒りの矛先が向かった


M「さと兄!このゴチャゴチャなのも捨てるよ!?」

O「わ~!潤、それは俺の大事な釣り道具…」

S「智くん、人の事笑えないじゃん」

荷物を捨てられそうになって右往左往する俺らをヨソに

潤は掃除道具片手にズンズンとキッチンに向かった




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