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旅は続くよ

第10章 当たりだよ

2人でシンミリしているところに

A「ただ~いま~!」

ニノと雅紀が帰ってきた


A「なになに~?2人して飲んでんの~?」

O「お、雅紀も飲むか?」

A「飲む飲む~」

S「ニノもいる?」

N「いや、俺は腹いっぱい…」

4人になった途端、家の中が賑やかになった


S「何処遊びに行ってたの?」

A「映画!」

N「アンタはポップコーン食いに行ったんでしょ?」

O「なんの映画だ?」

A「ハラハラドキドキするやつっ」

N「答えになってねーわ。あのね…」

嵐みたいに4人で喋り捲って

智くんも楽しそうで

俺も勿論楽しいけど

ニノと話したいな…

何となくそう思ってしまう…


A「あ、そろそろ風呂入ろっかな」

雅紀が立ち上がった時

一瞬、これでニノとゆっくり話せるかと思った

…何考えてんだよ俺は……


A「ニノも入ろ」

N「ええ~~?」

O「じゃ、俺も入る」

A「いーねいーね!皆で入ろ」

N「3人狭いって」

O「こないだも大丈夫だったろ?」

A「クフフッ、楽しかったよね~」

O「翔ちゃんも入るか?」

S「いや、遠慮しときます…」


あっという間に3人が一緒に風呂に入りにいくと

また急に寂しくなって

…今夜、ニノはちゃんと眠れるのかな…

俺の無駄な心配を余所に

風呂から上がってリビングに顔を出したのは智くんだけ

O「翔ちゃん、お先」

S「…他の2人は?」

O「もう2階上がってったぞ」



1人で湯船に浸かっても

あの2人が気になって仕方がない

…今夜、一緒に寝るのかな

一緒に寝ないで欲しい…

ふとそんな事を考える自分がいる


思い出す

俺の手の中に納まった小さな手

泣いてるのかと思った横顔

肩が触れ合った時の温もり

握った細い指


あの時、あんなに近くにいた

誰よりも、心だって近くにいると思えた

だけど、今は…

もしかしたら今頃

雅紀のベッドの中にニノは…

そう思うと、胸が締め付けられる

苦しくて息をするのを忘れた


もう…、深く考えないでもわかる

智くん、当たりだよ


俺は、ニノが好きなんだ



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