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アスタリスク【ARS.O】

第10章 宴【アキ】

車が私のマンションに着いた。

「潤、今までありがとう…。」

「アキちゃん、いろいろごめんね…。」

潤は運転席から降りると、後部座席のドアを開けてくれた。

オジサンはまだ寝ている。

『さようなら、オジサン…。』

私は心の中でつぶやいた。

車を降りると、私は潤を見送った。

車が見えなくなるまで見ていた。

車が見えなくなると、マンションの階段を上がり、冷たいドアに鍵を刺して回す。

真っ暗な部屋に明かりを点ける。

ママにもらった餃子を冷凍室にしまい、そのままベッドに倒れ込んだ。

寝返りを打つと、手に何か当たった。

以前、潤がくれたハンドクリーム。

私はそのハンドクリームのふたを開け手に出した。

甘い薔薇の香りが広がった。

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