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アスタリスク【ARS.O】

第11章 火消し【和也】

コース料理もデザートに差し掛かった頃。

マミさんが体をぐっと寄せてきた。

「ニノ、スイートとってあるんやけど。私と一夜のアバンチュールしぃひんか…?」

マミさんが、俺の太ももをなでまわした。

全身鳥肌が立った。

「いや、俺、帰らないとマネージャーが心配するから…。」

「大丈夫、私が電話しとくさかい。」

おい、マネージャー、なんでマミさんに電話番号教えてんだよ…。

「俺、実は経験なくて…。(←言い訳めちゃくちゃ)」

「私が教えたる。」

いつもは利く機転も、たくさん飲まされたビールのせいで動きが鈍い。

マミさんは俺の腕をとるとレストランを出て、エレベーターホールに向かった。

エレベーターに乗り込んだ後も、必死で頭をフル回転している。

「そうだ、俺、アレ持ってないよ…!」

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