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アスタリスク【ARS.O】

第11章 火消し【和也】

通されたスイートルームは最高の眺めで大阪の夜景が一望できた。

遠くには大阪湾も見える。

「わお…。」

「きれいやろ?大阪の夜景も捨てたもんとちゃうやろ?」

「ん、まぁネ…。」

俺はしばし大阪の夜景に見とれていた。

「いきなり取って食ったりせぇへん。まずは一杯飲み直そうな。」

マミさんは冷蔵庫からシャンパンとグラスを取り出した。

黄金色の泡で満たされたグラスを合わせる。

「……!」

キリッと冷えたそのシャンパンは、酒にうとい俺でもわかるほど、今まで飲んだどのシャンパンよりもうまかった。

高いんだろな。

一本何万…、いやもっとすんのかな。

「そやそや、ニノにプレゼントがあるねん。」

そう言ってマミさんはテーブルに置かれた小箱を取り上げた。

俺は恐る恐る開けてみると、中から顔を出したのは、王冠のマークのついた腕時計。

「ロレックスや。」

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