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アスタリスク【ARS.O】

第11章 火消し【和也】

「痛ぁ…!」

俺は頭を抱えてうずくまった。

「お遊びはそこまでや、二宮。」

見上げると、マミさんがスリッパを片手に上から俺をにらんでいる。

「な、何すんだよ!」

「スリッパでのツッコミは定番やろ?」

マミさんは、俺を起こしてソファに座らせた。

「二宮、お遊びはここまでや。あんたの魂胆は始めっからわかってるで。」

「魂胆…?」

「あんた、色仕掛けで私を利用しようと思ってるやろ。」

「えっ…!」

そこにいるマミさんは、さっきまでの俺にメロメロの色ボケババァではなくなっていた。

堂々として凛として、例えればやり手の女社長のような風格だった。

「だいたい、私の本来の狙いはあんたやない、大野や。」

「え、どういうこと!?」

俺はとにかく頭が混乱していた。

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