テキストサイズ

アスタリスク【ARS.O】

第2章 深夜のバイト【アキ】

「そうだ。」

バッグの中をごそごそとひっくり返す。

個包装のクッキーを見つけた。

バイト仲間が、大阪までアイドルグループのコンサートに行ってきたとお土産をくれていた。

ヤカンの火を止め、お湯をマグカップに注ぐ。

湯気の立つコーヒーを飲みながら、クッキーを食べた。

頭がかゆくなってポリポリ掻いた。

「そういや、昨日お風呂入んなかったな。」

冬は、ガス代がかさむ。

年末年始はバイト先も休みになるから、給料も少なくなる。

私は、再びヤカンにお湯を沸かして洗面器に注いだ。

そのお湯でタオルを濡らして体をふいた。

今日は、シャンプーは我慢しよう。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ