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「せっかくだから今日は翔先生にみんなの勉強を見てもらおうかな？」

子供たちから歓声が上がった。

「じゃあアキ先生、あとはよろしく。」

ヨシオ先生はそう言うと、そばにいる子供の勉強を見出した。

「櫻井さん、得意科目は？」

アキさんが聞いてきた。

「現代社会と数学に英語…、でもまぁ中学生の勉強なんてどの科目でも余裕だろ。」

アキさんは、ハハッと笑った。

「この寺子屋は各自持ち寄った宿題や学校の問題集なんかを見て教えてるの。」

アキさんは子供たちを見渡した。

「リョウくんの数学を見てあげていただけますか？」

リョウくんと呼ばれた少年が顔を上げた。

「君がリョウくんか、よろしく。」

俺はリョウくんの横に座った。

リョウくんは、照れくさそうに小さく会釈した。

「どれどれ。」

俺はリョウくんの教科書をのぞき込んだ。

図形の証明問題だった。