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アスタリスク【ARS.O】

第13章 ギター寺子屋【翔】

「余計なことして、申し訳ありませんでした…。」

俺にとっては『安い』牛丼も、ここの子供たちからするととても大きなことで。

俺は『貧しい子供たち』に牛丼振る舞って、『いいこと』した気になっていた。

「あら、余計なことなんかじゃないわよ。」

アキさんが笑った。

「子供たち喜んでたよね。」

ヨシオ先生も同調した。

「でも、しなくていいケンカさせてしまって…。」

俺は唇をかんだ。

ケンカの仲裁に入った二人にも痛い目にあわせてしまい、申し訳なかった。

「本当に慶応ボーイって頭悪いのね。」

「なにっ!」

カチンときてアキさんをにらみつけた。

「子供たちの美味しそうに食べる顔見たでしょ?」

アキさんは俺のにらみなんてどこ吹く風で、ハハッと笑った。

「それに、ケンカが嫌なら、次から『ケンカせずに仲良く食べろよ』って言えば済む話よ。」

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