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アスタリスク【ARS.O】

第2章 深夜のバイト【アキ】

「あー、疲れた!」

つかの間の休憩時間。

休憩室で腰かける。

バイト仲間のナッチャンが、缶コーヒーを飲みながら雑誌を広げていた。

「ナッチャン、この前クッキーありがと。おいしかったよ。」

私は、大阪土産のクッキーの礼を言った。

「そう?よかった!あれ京セラドームで買ったんだ。」

ナッチャンは、雑誌から顔を上げてニッコリ笑った。

「それにしても熱心ね。アイドルの追っかけ。」

「だって、そのためにこのバイトしてんだもん!」

ナッチャンは、男性アイドルグループの追っかけをしていて、全国駆けめぐっている。

「で、大阪のコンサートには入れたの?」

「あー、駄目だった!立ちんぼしたけどやっぱり無理ね。限定グッズだけ買って帰って来たよ。」

ナッチャンは、残念そうに雑誌に顔を埋めた。

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