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アスタリスク【ARS.O】

第2章 深夜のバイト【アキ】

「今度、アキちゃんにもDVD貸してあげるよ。」

「いいよ、私プレーヤー持ってないし見られないから。」

「じゃあ、CD焼いてあげる。」

「CDプレーヤーもないんだってば。」

ナッチャンは、アイドルグループの良さを伝えようと、熱心に話してくれるけど、私はプレーヤーも持ってなければコンサートに行くお金もない。

話を聞くだけ無駄だ。

ナッチャンは実家暮らしの大学生で、バイト代はすべてお小遣いだけど。

私はここのバイト代だけで生活している。

とても、遊びに使う余裕はない。

「アキちゃんって、変わってるよね。昭和の生活してんの?」

ナッチャンはケラケラと笑った。

笑い事じゃないよ。

喉まで出た言葉を飲み込んだ。

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