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アスタリスク【ARS.O】

第15章 アスタリスク【智】

「ヨシオ先生、今日もよろしくお願いします。」

翔ちゃんは、金髪のオッサンに挨拶した。

「こちらの寺子屋の塾長のヨシオ先生だよ。」

「えっ、この人が塾長?」

ヨシオ先生という人は、どう見ても塾の先生には見えなくて。

中年のロックンローラーみたいだった。

しかも、塾なのにギターさげてるし。

「塾長のヨシオです。」

ヨシオ先生がジャジャンとギターを鳴らした。

なんだかな、この人…。

「大野です…。」

俺は頭を下げた。

「大野先生の得意科目は?」

アキが横から話に割り込んできた。

得意科目なんてあるわけねぇだろ…。

後でしめてやる。

「美術と音楽だよ。」

翔ちゃんがフォローしてくれた。

「残念ながら副教科は今日はやってないのよ。大野先生は座って見てて。」

アキが和室の壁を指さした。

俺はおとなしく壁際に座った。

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