テキストサイズ

アスタリスク【ARS.O】

第15章 アスタリスク【智】

壁際に座って授業を見ていた。

子供たちはそれぞれ教科書を開いて勝手に勉強をしている。

わからないところがあると、先生に教えてもらう。

アキは子供たちの間を行ったり来たりしながら教えていた。

問題が解けると、子供と一緒に笑った。

アキ、あんなによく笑う子だったっけ…。

俺の知ってるアキは、常に身構えてるというか、隙がなかった。

目の前のアキは、雰囲気が柔らかかった。

年相応の女の子の顔だった。

なんか、ちょっと嫌だった。

俺の知らないアキの顔を見るのが、なんか寂しかった。

「寂しいの?」

声がして振り向くと、化粧をした女の子が隣に座っていた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ