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アスタリスク【ARS.O】

第15章 アスタリスク【智】

アキが横に来て、耳元で言った。

「ユウちゃん、嬉しかったのよ。」

なんだよ、喜んでんのに叩くのかよ。

思春期の女の子は難しいな。

暇そうにしてる男の子がいたから隣に行ってみた。

「おめぇ、名前は?」

「ケンジ…。」

「ケンジは勉強しねーのか。」

「………。」

ケンジは黙ってうつむいた。

思春期は男も難しいな。

「勉強しねーのなら、なんで寺子屋に来てんだよ。」

ケンジはチラッと斜め前を見た。

ユウがいた。

「おめぇ、ユウが好きなのか?」

ケンジがすごい勢いで俺の口をふさいだ。

「大野先生、邪魔するなら出ていって!」

今度は俺がアキに襟首つかまれた。

ヨシオ先生が腹を抱えて笑っていた。

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