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アスタリスク【ARS.O】

第15章 アスタリスク【智】

ケンジの隣に座る女の子が話しかけてきた。

「ねぇ大野、芸能人って儲かる?」

「何だよ、呼び捨てすんなよ。おめぇ、名前は?」

「私はミナミ。リーダーって、お給料いくら?」

ミナミはショートカットでぽっちゃりしていた。

「給料って、そんなの言えるかよ。」

「私ね、お笑い芸人になりたいんだけど、儲かるかな?」

お世辞にも整っているとは言えないミナミの顔は、何とも愛嬌があった。

「さぁ、よくわかんねぇ。」

「私、頭悪くてバカだから高校なんか行くのやめて、お笑いの養成所に行きたいんだ。」

ミナミはテヘッと笑った。

「頭悪いって…、わかんねぇとこ学校の先生に質問しねぇのか?」

「放課後に職員室に行っても、先生は会議や部活でつかまらないし。友達は塾に行ってるからいいけど、私みたいなのはおいてけぼりよ。」

「まじか…。じゃあ、せいぜいアキに教えてもらえよ。」

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