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アスタリスク【ARS.O】

第15章 アスタリスク【智】

授業が終わって、翔ちゃんは買い込んできた菓子パンと牛乳を子供たちに配った。

「喧嘩せずに食えよ!」

みんな喜んで食べていた。

成長期だから、みんなよく食った。

翔ちゃんは、ユウにこっそり別の袋を渡していた。

余ったパンは希望者でジャンケンをした。

中学生の本気のジャンケンだった。

ヨシオ先生がランボーのテーマを弾いた。

勝った男の子が両手の拳を突き上げてガッツポーズをした。

勉強して腹を満たして、子供たちは帰って行った。

俺と翔ちゃんは、ひとりひとりとハイタッチして見送った。

公民館の和室は、急に静かになった。

「元気そうだな…。」

俺はアキに声をかけた。

「オジサンもね。」

なんか、ちょっと照れくさくなった。

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