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俺が泣いて戻って来たのを見て、アキも翔ちゃんも驚いた。

でも、何も言わないでいてくれた。

翔ちゃんは、俺の背中をさすってくれた。

大通りまで着くと、翔ちゃんがタクシーを停めてくれた。

翔ちゃんが先に乗り込んだ。

俺も続いて乗ろうとしたけど、ふと思いついてアキに振り向いた。

「アキ、お前結婚したい奴ができたら俺に会わせろ。」

「何よ、いきなり。」

アキが明らかに困惑している。

「俺、そいつ連れて釣りに行く。アキにふさわしいかどうか見定めてやる。」

アキはため息をついた。

完全にあきれている。

「何を言うかと思ったら…。運転手さん待ってくれてるんだから、はやく乗って。」

アキは俺をタクシーに押し込めた。

ドアが閉まる瞬間。

「わかったわよ、お父さん…。」

アキはそう言うと、ハハッと笑った。

タクシーは発進した。