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アスタリスク【ARS.O】

第4章 会いに行く

「ごめん…。俺、とにかくお礼がしたかっただけなんだ。本当にごめんよ…。」

アキは、大きなため息をついた。

「お礼なら、今ごちそうになったわよ。それで充分。」

俺はこっくりとうなづいた。

マンションに向かって、二人で歩いた。

あのコンビニまできて、煙草を切らしていることに気がついた。

俺が煙草を買っている間、アキは店内をうろうろしていた。

アキは、ココアの袋を手に取ってじっと見ていた。

「ココア好きなのか?」

アキは、ハッとした顔をしてココアを棚に戻した。

俺はそのココアの袋を取った。

「これくらいはさせてくんねぇか?」

レジでお金を払った。

俺が当たり前に毎日吸っている煙草と、アキが買うのをためらっていたココアは同じくらいの値段で。

アキにココアの入ったレジ袋を渡すと、アキは小さな声で「ありがとう」と言った。

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