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アスタリスク【ARS.O】

第5章 幸せな食卓

サラダは、野菜がパリッとしていた。

野菜を冷水できちんと締めてあった。

スープは、何とかいうレストランのお取り寄せだとか。

パスタソースは、フレッシュなトマトから手作りしてあって、シンプルだけど深い味だった。

「うまっ!」

「そう、よかった。」

特別、高級な食材を使っている訳じゃないのに、潤の料理は本当にうまかった。

ひとつひとつの作業を手を抜かず丁寧にしていて、心をこめて作ってくれていた。

ふと、アキの顔が浮かんだ。

俺がアキに拾われてから、ちょうど2ヵ月くらい。

今頃、また給料日前で腹減らしてんじゃねぇかな。

値下げ品のあんパンかじってんじゃねぇかな。

何より、この愛情いっぱいの温かい料理を、アキに食べさせたくなった。

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