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アスタリスク【ARS.O】

第5章 幸せな食卓

「いただきます…。」

アキは、ひとくち、またひとくち、料理を口に運ぶ。

「おいしい…。」

俺と潤は食事が終わっていたから、潤が作ってくれたおつまみをつまみながら白ワインを飲んだ。

薄く切ったフランスパンにハムやらチーズやらをのせてあった。

アキは、黙々と料理を食べた。

「うまいだろ。これをアキに食べさせたかったんだ。」

俺が自慢気に言った。

「作ったのは俺だけど?」

潤が不服そうに反論した。

そんな俺達を見てアキは笑った。

食べ終わって食器を片付けると、潤は湯を張った洗面器とタオルを持ってきた。

「アキちゃんおいで。」

洗面器にアロマオイルを数滴たらした。

「ハンドマッサージしてあげるよ。」

アキは、手を後ろに隠した。

「嫌だ。」

潤は小首をかしげた。

「こんなぼろぼろの手、恥ずかしい…。」

アキは、身を固くした。

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