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アスタリスク【ARS.O】

第5章 幸せな食卓

「恥ずかしくなんかないよ。頑張って働いている美しい手だよ。ただ、傷ができて痛そうだから…。」

潤が優しく笑った。

「アキ、やってもらえよ。潤のマッサージは気持ちいいぞ。」

俺も援護した。

アキは、おそるおそる手を出した。

潤はアキの袖をめくると湯につけた。

「あったかい…。」

しばらくしたら手をタオルで拭いて、ハンドクリームをたっぷりつけた。

潤がアキの手を取って、両手でマッサージしていく。

「いい香り…。」

ハンドクリームの薔薇の香りが部屋いっぱいに広がった。

潤は、アキの手を指一本一本丁寧にマッサージしていく。

「俺達の仕事でも寒い夜にベンチコート着て外で手をカサカサにして頑張ってくれるスタッフがたくさんいるんだよ。」

「潤の仕事って何?ひょっとして、ホスト!?」

「えっ!?」

俺と潤は、一瞬凍りついたかと思うと…、大爆笑した。

「ハハハ…、そりゃないぜ!」

俺は腹筋がよじれるほど笑った。

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