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アスタリスク【ARS.O】

第5章 幸せな食卓

「それに手袋持ってるし…!」

アキはベンチコートのポケットから手袋を取り出した。

それは薄汚れた軍手だった。

アキは、ハッとして真っ赤になりうつむいてしまった。

「じゃあ貸すよ。春になって使わなくなったら返して。今夜は寒いから、とりあえず使ってよ。」

アキは、こくんとうなづいた。

「それと、封が開いてて悪いけどハンドクリームも使ってくれる?俺には油分が強くて合わないんだ。アキちゃんは乾燥肌だからいいと思って。」

潤はアキに薔薇の香りのハンドクリームを手渡した。

「…ありがとう。」

俺も潤に礼を言って、部屋を出た。

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