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アスタリスク【ARS.O】

第1章 今年いちばん寒い夜

女の人は、しばらく歩くと古い単身者用マンションに入って行った。

階段を上って、ドアに鍵をさし回した。

「入って?」

女の人はそう言うと、先に靴を脱いで部屋に入った。

俺も、あとに続いて部屋に入った。

狭い玄関とキッチンを抜けると、6畳ほどのワンルーム。

女の人はベンチコートを脱ぐとハンガーに掛けカーテンレールに引っ掛けた。

女の人はラジカセの電源を入れると、FM放送を流した。

「こたつのスイッチ入れて、入って?」

俺は言われた通りこたつのスイッチを入れて座った。

女の人は、キッチンに戻ってヤカンをコンロにかけた。

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