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アスタリスク【ARS.O】

第6章 現実の生活

しばらくして、インターホンが鳴ってドアが開いた。

「アキちゃん、どう?」

潤が顔を出した。

「すごい熱なんだ。病院に連れていきたい。」

「わかった。下に車停めてる。路駐だから早く出よう。」

俺はアキを抱き起こした。

「アキ、潤が来てくれたよ。病院行こう。」

アキがうっすら目を開けて潤の姿をとらえたかと思うと、目を丸くして布団を頭からかぶった。

「帰って!」

何だよ、あんなに潤に会いたがってたくせに。

「アキちゃん、病院まで送るよ。」

潤がやさしく布団をのけようとする。

「やだ、やだ!帰って!」

こんな高熱なのに、どこからそんな力が出るのか。

アキは布団をつかんで離さない。

「もう3日もお風呂入ってなくて臭いから…。こんな姿潤に見られたくない…。」

アキは泣きながら叫んだ。

そうだ、アキは潤に惚れてるんだ…。

好きな男の前では、少しでもきれいな姿で会いたいよな。

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