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アスタリスク【ARS.O】

第6章 現実の生活

「まったく、これじゃ拉致だよ…。」

俺は後部座席にアキと座った。

「リーダー、来る途中に見つけた総合病院に行くよ。」

「あぁ、頼む。」

アキは、もうしゃべらなかった。

ひっくひっくとしゃくりあげて泣いていた。

しばらくすると、ひっくひっくが聞こえなくなって、アキは寝た。

泣く体力もなくなってんだな。

車が交差点を曲がるときアキの体が揺れて、俺の肩に倒れ込んできた。

3日間風呂に入っていないアキの髪は、脂の臭いがした。

潤を呼んだことを心から後悔した。

俺はアキの肩に腕を回し、不安定な体を支えた。

「ごめんよ…。」

眠るアキの耳元でささやいた。

総合病院は交差点から近かった。

潤は俺とアキを降ろすと言った。

「リーダーと俺が揃っていたら目立つから俺はそこら辺で時間つぶすよ。診察終わったら連絡して?戻って来るから。」

「わかった。」

潤は車を発進させた。

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