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アスタリスク【ARS.O】

第6章 現実の生活

夕診が終わった総合病院のロビーはがらんとしていた。

俺は受付で、翔ちゃんに教えられた通りに『自由診療で』と言った。

「全額負担になりますよ?」

受付の人に念を押されたが、俺は大丈夫だと返事した。

アキにベンチコートを着させて、ソファに座らせた。

潤に借りている藤色のストールも巻いてやった。

しばらくすると名前を呼ばれてアキは診察室に入って行った。

俺はロビーで待った。

入院患者らしい女性がロビーを横切った。

俺はキャップを深くして下を向いた。

診察室からアキが出てきた。

「インフルエンザじゃなかった…。今から点滴するって…。」

隣の処置室に移動して点滴をした。

「液がなくなったら呼んでくださいね。」

そう言い残して看護師さんは出て行った。

俺はアキが横たわるベッドの横に座った。

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