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アスタリスク【ARS.O】

第9章 チャイニーズレストランへ【アキ】

運転席の男が振り返って私を見た。

「アンタがアキちゃん?大野さんがいつもお世話になってマスね。」

運転席の男はかけていたサングラスを外した。

「二宮…?」

ナッチャンに借りた雑誌で見た男だった。

オジサンに負けず劣らず小柄な男。

「アキちゃん、ワタシのこと知ってんデスか。それなら話は早い。このまま相葉さんちに直行しマスよ。」

「あの、これ…。」

私はコンビニのレジ袋から缶コーヒーを2本出した。

ブラックコーヒーを二宮に、カフェオレをオジサンに渡した。

「アキちゃん気が利くじゃないデスか。ワタシ、コーヒーはブラックなんデスよ。」

二宮はさっそくコーヒーの蓋を開けてひとくち飲んだ。

「乗せてもらうお礼だから…。」

オジサンは、しばらくカフェオレを眺めたあと、私を見た。

「アキのコーヒーは?」

「私はいらない。」

オジサンは、より一層眉を下げて、カフェオレの蓋を開けた。

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