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アスタリスク【ARS.O】

第9章 チャイニーズレストランへ【アキ】

通されたテーブルには、すでに男が一人座っていた。

男がチラッとこちらを見た。

目がクリッとしたベビーフェイスの男。

ベビーフェイスは、私を頭から足先までなめ回すように見た。

「ふーん…。」

ベビーフェイスは、アゴに手をやり何か言いたそうに見ている。

感じ悪い。

そう思った時、オジサンが私の前に回り込んだ。

「翔ちゃん、もう来てたんだ。」

オジサンが、ベビーフェイスに話しかけた。

『櫻井翔』という名前は雑誌で見た覚えがあった。

しかし、目の前の櫻井は雑誌で見た貴公子のような微笑みとは程遠く、まるで別人のように冷たい目をしていた。

「ちょっと前に着いたんだよ。で、こちらが例の…?」

櫻井がオジサンの向こうから私を覗き込んだ。

「あぁ、アキだよ。」

私は頭を少しだけ下げて会釈した。

「あんたか、智くんの回りをチョロチョロしてる貧乏神は。」

櫻井は、真っ向から言い放った。

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