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☆ラリマーの扉☆

第16章 狂愛王子と捕らわれしハニー3

逃げられぬ、証がくっきりと刻まれた。

「いやだ…」

「ふふ…」

彼の束縛が私の心をも縛りつけた。

本当に逃げることは許されない……

何者か分からぬ人に捕らわれるなんて… 
そんな…

平凡な私になんで……

もう絶望の涙しかない。

つらい、かなしい、しか、言葉が出ない

「…また甘い生活が始まるね。さりな」

「……っ」

さりなは言葉を発せない。
怖さと絶望の鎖がさりなを襲う。

……いやだ

怖い、やめて…夢であってほしい。

「共に愛し合おうね、ふふふ…」

私の感情は置いてけぼりにされたまま……

人形みたいに扱うなんて、そんな…

「や・く・そ・く」

小指をつないだ私たち。
絶望の約束──────…


約束を交わしたからにはもう

逃げられない…

人生すべてを捧げたようなものだ。

不老不死の王子に愛されるんだ…

もう声はない。助けを求めるのみ…。

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