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☆ラリマーの扉☆

第16章 狂愛王子と捕らわれしハニー3

私は朝も昼も夜も手錠をされたままだ。

監禁状態で昼も夜もない。
暗闇の世界でただ2人……。

もう今は
お父様とお母様が心配してるわ…

帰して、帰してよ…

前の時は耐えた。
二度は耐えられない。

絶望の涙がこぼれ落ちる。

「……っふっ…」

王子が眠る隣で泣いた。

解放を願うのみ、ただそれだけよ────…

あぁ……

「泣いているのかい?ハニー…」

王子に気づかれてしまった。

さりなは首を横に振った。

「泣いているじゃないか…
泣いているその理由を教えて?」

理由なんて言っても理解しないくせに

異様なまでに狂愛して何を言うんだろう?

「言わない」

それだけだよ。

口ではね…


もう、目を閉じよう。

開けていては醜いモノが見えるだけよ…

眠ることにしよう────…

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