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☆ラリマーの扉☆

第18章 オレ様王子と感情薄き王女  ~脱出~

オレは、お手洗いの場所を教えた。

ホルリが出てくるまで待つ。

監視して逃がさないために居るのだからな…

「ホルリ、君はこの腕の中」

決して逃がさないんだ。

この羽ばたく蝶は檻の中────…

王子、フェルヴェルリに飼わされる………

「今宵はどこに飛び降りようか……」

ね…ホルリ?

「あ、待っててくれたんですね」

「あぁ…ホルリが出て行かないようにね」

………しつこいな、オレって。

「出て行くことはしません…
貴方には何か目的があるのでしょう?」

……!

ステキな振る舞いで、聞いてくるな───…


本当の理由は言えない。

「目的…ホルリを救うためだぞ」

本当の理由を言って嫌われてしまえば
つらいしな…

「私を救う…ため?」

救うためでもあるし、別の目的でもある…

それを知れば、絶望の果てだろう───…

「あぁ…」

いつかは知らされる
いつかは絶望するのだから。

どうかその時まで。

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