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☆ラリマーの扉☆

第20章 捨てられし王女は~再会~

「でもクレディリス、捨てられたってのは?」

「言いにくいのですが王子と…体を重ねてしまって」

……内緒にしてくれるかな。

気のよさそうなおばさん、って感じがするけども。

「あぁ、愛する男女なら誰でもするね」

「はい…」

いいおばさんだ……

でももう私は拡散覚悟で言った。

……私はもう

捨てられた王女だからね………

生涯を終えてもおかしくない
罪の子────…

「クレディリス、ここは賑やかだろ?」

「はいっ」

……ニコニコする私。

「好きにくつろいでいってね
じゃあねっ!」

おばさんは威勢良く手を振った。

私もつられるかのように威勢良く手を振った────…

くつろいでいって、と
言われても…どうすれば?

それにしても
夜明けで朝を迎えているのに

綺麗な都だわ。

眠らぬ都と名付けちゃいたい。

しんみりした王国とは違うな……

あぁ
もう忘れたはずなのに

王国のこととなると

アンディルスが………脳裏によみがえる。

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