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☆ラリマーの扉☆

第20章 捨てられし王女は~再会~

「離れても好きであるのはかわらないよ
クレディリス」

「わたしも…」

クレディリスはアンディルスに抱きかかえられながら、涙を流す─────…。

「アンディルス、わたしね…」

言っておきたいことがあって。

「なんだい?」

「離れてた時、私ね…
アンディルスを忘れかけてたの…
叶わないと思って悲しくって……」

あなたが夢にあらわれた時は
忘れないでっていう証なんだと思うわ…

あの夢は本当でリアルな想いだった───…

「おれも…忘れようとしてた……
泣いて泣いて忘れようとしてたんだよ…
だけど、忘れたくなかった
記憶の中に居てほしかったんだ……」

2人は涙を流し、抱き締めあう。

────…また会えなくても

別離になったとしても────…

「……よかった、忘れていなくて」

「永遠の別れじゃなくてよかった」

また私は愛し合うことができるのね。

ありがとう─────…

もう忘れない
私の、悠久の記憶だわ────…。

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