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☆ラリマーの扉☆

第26章 チナミの秘密

そして翌日─────…

「チナミお嬢様、おはようございます」

「イオリ、おはよう…」

チナミお嬢様は、ぼんやりした表情でこちらを見る。

「昨日は何をしていたのですか?」

聞きたくて仕方がないことだが
教えてくれはしないだろう。

「あんたに関係ないわよ」

冷たくされる。

関係ない、か………。

「そうですか。部外者がモノを言うことではありませんね」

「そうよ、口を出さないでちょうだい」

チナミお嬢様はこの事に触れると怒り出す。

「まったく…貴女は一体何をしているのか
…」

知りたくて仕方がない

愛おしいから。

「教えませんから!」

ドスドス!と足音を立てて出て行った。

「はぁ……まったく、生意気だなぁ」

ため息をついて、チナミお嬢様と共に
部屋を出て行った。


そんなこんなで
チナミを送り出した僕。

何度もしつこいが
僕はチナミの耳元で

「毎晩僕を部屋から追い出して
何をしているのか教えてくれませんか?」

と…

また聞いたのだ。

しつこいのは承知していても
おさえがきかないときだってある。

隙あらば
聞いてしまうもの……



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