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☆ラリマーの扉☆

第7章 束縛彼氏→束縛ナシの友人

「待ちくたびれたよ、さりな。悪いけど
もう一度、捕らえさせて」

そう言い、柚月は
わたしのカバンをあさり、鍵をとった。

強引に手を引っ張られる。

「きゃ……」

鍵には202と刻まれている。
……だからもう、バレバレじゃない。

鍵穴にさしこむ金色の鍵。

離すこともできない強い力。
抵抗不可能とされるほどに…。

ドアを開けられ、家の中に入る。

「きゃあ…っ!」

バッ!と中に入れられる。

出られぬように鍵まで閉めた。

そして、強引なキス─────…

「ん…」

「……っ」

甘い吐息が重なり合う今。

幸せでもない、そのカケラもない
キス。

「………っさりな…濡れ場、期待してた……?」


「してるわけなんてないじゃない
別れてるんだから」

とにかく落ち着かないと…

「…さりな、ダメ元で聞くけどもう一度おれのこと好きって言える?」

さりなは、はぁ…とため息をついた。

「言えない。あんな強い束縛をされたのだから…」

そりゃそうでしょう。

「…そうか。そう言うことは分かっていたよ」

「強い束縛をしてごめんって言っても
許せる?」

聞かなきゃ不安なのかな…

「もちろん許せないわ、というか…
中に入ってよ」

「だよね…」

柚月とさりなは導かれるままに
リビングへ入っていった。

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