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☆ラリマーの扉☆

第8章 理想郷の扉~青空の下、契約を結ぶ

幕が開かれた。

ゆっくりと…
観客をどきどきさせるような速度だ

幕が開かれば、主役が立っている。

クレナイ乙女だろう……

赤い髪に、赤いドレス…

血染まった、体の持ち主といいたいほどだ。


クレナイ乙女は舞い踊り
そして小鳥のように歌を歌う。

オルガンの音と歌。

それを聞いただけで
何かに引きつけられるような気がした……

不気味な印象の劇だなぁ…

「すげぇ、ミラちゃんすげぇ!」

「うぉおお~!」

うん?うるさいなぁ……

なんかファンなのかな?

「ミラ~~!」

これを非常識の客というのかな。

残念ね……

「ミ……っ!あっ!ああっ!」

叫ぼうとした男性は、『ラ』が言えぬままに
苦しんだ。

血を吐き、苦しむ、オトコ。

客はきゃああああ~!と叫び、逃げた。

「…っ」

シノは驚いた。
目の前に苦しむ人がいるだなんて…

『───あ~あぁあ~♪
非常識の~当然の対価~♪

死はしない
苦しめ、苦しませる役目、それが
クレナイ乙女……♪』


歌い手の…主役のミラが歌った。

地獄のオペラが鳴り響く……

観客が少なくなっても
知らん顔で歌い続ける……


闇の オペラ────…

『もっと奥深く 苦しんで
その顔を 見せて……♪』

地獄の声が鳴り響く…

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