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☆ラリマーの扉☆

第8章 理想郷の扉~青空の下、契約を結ぶ

「刺され……っ!」

────…

シノの体が光り出した。

ピカッ…と

──おやめ。
それなりの相応の罰を受けてもらおう。


ナイフを持っていた受付係は苦しんだ
「ああっ…ぐぁ!」

ナイフが落ちる。


「くそぉ…なんだこれ!」

離されたシノは後ろを向く。

……案内係はおでこを床につけ、イモムシのような動きをする。

シノは悪魔のごとく
微笑んだのだ────…

「ははっ!」

やっと、劇場から出られた。

彼を追わなくちゃ。

「謎の青年よ、どこ!」

叫ぶと共に、肩に手が置かれた。

「ぼくはここに。プリンセス」

ありゃ……
瞬間移動したように来たねぇ…

「い、いつの間に?」

「君が助けを求めてるから…
ピュッと来たんだよ?」

……謎深きユートピアの青年。

この人は何なんだろう
まいおりた時からどうして私に話しかけてきてくれるんだろう?


……ほんっっとうに。

「でも…なんでそんなにはやく…来れるん?」

「ぼくは瞬間移動の術の持ち主だからさ…」

つまり術師……

「ええっ!そうなの」

「君も持ってるよ、いくつか能力を…」

「無数のね」

……無数?

「さっき、体が光ったんだろう?
あれは君の術さ…」

「ええっ!」

シノは驚いた。

「あとね、君には、ユートピアを
移動できる能力もあるんだ」

シノはコクンとうなずき
話に集中する。

「これはユートピア市民共通の術
ぼくだって使えるし、君も…ね」

「ふ…」

「ちなみにここは
君の望んだ、摩天楼……つまり、都会」

……っ!

そう……なんだ

望んだとおりの…世界

「…うん」

小さくうなずき、声を出した。

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