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☆ラリマーの扉☆

第9章 捨てられし王女は

「琥珀さん…」

「なんだ?」

「私は昨日の昼、王国を追い出されたのです…」

悲しげな顔を見せるクレディリス。

「えっ…なぜ?」

「王子との情事がバレてしまって…」

「情事…つまり体を重ねたんだな?」

「はい…」

さきえはムムム、とする…

「私が王国を飛び出した時
王子はクレディリス!と呼び止めてくれたの…だけど私は振り返ることはしなかったの

それは……愛し合う資格はなかったから」

恋の無念をさらすクレディリス。

「…王国の恥と愛しても何も残らないわ」


「…クレディリス
そんな悲しい出来事があったのか…」

「えぇ…」

悲しみの涙を流す、クレディリス。

さきえはクレディリスの肩を押さえた。

「ずっとここにいても構わんからな」

「ありがとう」

支えると誓うぞ、クレディリス……

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