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☆ラリマーの扉☆

第9章 捨てられし王女は

灼熱の太陽はしずみ、夜を迎える───…

XX村は、月が美しく、輝いている。

美しいだけでもなく、ただ…

巨大な満月があらわれていた。

さきえは眠り
クレディリスは少しだけ外に出る。

「……綺麗ね」

王国の月は小さいのに…
ここは素敵ね…

「…あのブローチを、探しにいかなくちゃ
別れた王子との思い出に…」

最後に手放した、美しい刻印のブローチ…

大雨の時に流れてしまったのかもしれないけど…

「どこかしら…あのブローチ…」

結ばれることはなくても
…大切であることはかわらないの。

月夜に照らされながら、クレディリスは祈った───…

涙を流しながら、祈ったの


できることなら もう一度

結ばせて────…

夜空を見上げ、悲しみの涙を流す…

「……っ」

クレディリスは、さきえの家に戻った。

……死ぬなら どうか 貴方ともう一度……

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