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☆ラリマーの扉☆

第9章 捨てられし王女は

「オレ知ってんだよな~……琥珀様の秘密!ヤバいから!」

耳元で囁かれたその一言。
クレディリスは地に足を押しつけられそうになった…

それは立ちくらみしそうなくらいに…

「え…」

助けてもらった優しい人なのに
そんなわけない…

「うっ、うそだよね…」

「…ふふ。証拠は夜中に見せるね~
本当に驚くよ」

……。


やっぱり…

声のトーンや表情で本当なのが分かる。

真実は夜中─────…

「…わかった。楽しみにしてる」

知りたくて言っちゃった。
怖いけれど、少年となら───…


「じゃーね!」

少年はサッサッサと去っていった。


再び、クレディリスは畑仕事を始める。



さっきの少年の言葉が気になって、ちょっとさっきよりも集中できない。

「ふ…」

集中できなくて困っていたクレディリス。そのとき…

「クレディリス!」

さきえがやってきた。

「琥珀さん!」

「暑くてジリジリするだろう
ほら、お水…」

さきえは、ペットボトル一杯分を
クレディリスにわたした。

「あ、ありがとうございます」

「…おいしいぞ、これ」

さきえはニッと微笑み、他の人に水をわたしにいく。

クレディリスは思った。

優しい琥珀さんが奴隷をいじめるなんて…ありえないと思う。

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